コーチングを学ぶ皆さんへ
今回は、「自己啓発マウンティング」という現象を通して、私たちが目指すコーチとしての在り方について、一緒に考えてみましょう。
自己ケア元年?
2020年のパンデミック以降、セルフケアや自己啓発の重要性が、かつてないほど広まりました。
将来、歴史の教科書に「自己ケア元年」と記される日が来るかもしれません。
一方で、最近では自己啓発の広がりとともに、ある“新種の対決”のような現象も見られるようになってきました。
私はそれを「自己啓発マウンティング」と呼んでいます。
頑張りの“見せ合い”という競争
「私はこんなに努力してきた」「自分と深く向き合ってきた」。
本来ならば称賛されるべき努力や気づきが、ときに“上から目線”の表現として使われ、
まるで他人を測る物差しのようになってしまうことがあります。
「努力していない人には幸運は訪れない」といった言葉がプレッシャーとして機能し、
いつの間にか、「どれだけ自己成長したか」を競い合う場になってしまっているのです。
このような競争が続く限り、本質的な自己成長や、心の自由は得られないままでしょう。
劣等感を隠すための優越感?
では、なぜ“自己啓発マウンティング”は起きるのでしょうか。
その背景には、多くの場合「無意識の劣等感」があります。
本当は自分を十分に認めきれていないと、人はそれを隠すために、より大きな優越感や顕示欲を求めてしまうのです。
劣等感が深ければ深いほど、それを覆い隠すための表現や態度も、より強くなっていきます。
劣等感を持ったのはあなたのせいじゃない
実は、その劣等感の多くは、自分自身の選択や性格によるものではありません。
以下のような条件が重なった結果として、内側に根づいてしまったものです。
1. 最初に教わった「順路(生き方・考え方)」が間違っていた
2. それを長い年月をかけて信じ込み、体に染み込ませてきた
3. さらに、それに気づかせてくれる“本当のお手本”が、周囲にいまだ存在していない
この強固な三段構造に気づけたとき、初めて私たちは、
自己責めではなく、真の癒しと変化への道を選べるようになります。
スライバーとして育つということ
(スラトレでいう)“スライバー”とは、過去の傷や劣等感を無理に消すのではなく、
それらを糧にして、しなやかに生きる力を育んでいく人のことです。
今の社会では、こうした在り方を自然に学び取るのは簡単ではありません。
だからこそ、共創的な学びと安全な対話の中で、誰かと共にその力を取り戻していくことが必要なのです。
補足スライド:自己啓発マウンティングとスラトレ®の在り方
この記事でお伝えした内容を、スライドにまとめています。
ぜひあわせてご覧ください。
最後に
スラトレでは、競争ではなく、創造を助け合う「協創」、そして共に創る喜びである「共創」を土台とした学びを大切にしています。
スラトレ®コーチとして大切なのは、誰かを変えることでも、導くことでもありません。
大切なのは、相手の中にある“自然な変化の力”が芽吹くのを信じて、共に歩む姿勢です。
マウンティング的な自己啓発の空気に違和感を覚えるあなたこそ、
共創という在り方を選び、丁寧な対話を届けられる存在になれるはずです。
スラトレでは、こうした“共に創る”コーチングの在り方を、
型ではなく「在り方」として身につけていくことを何より重視しています。
なぜなら、スラトレコーチとしての在り方は、知識ではなく、日々のコツコツした体験と内省から育まれていくもの。
このブログが、その確認や内省のきっかけとなれば幸いです。
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